<令和7年度税制改正の主な要望項目>
令和7年度税制改正は、中小企業の法人税率の特例・設備投資減税の延長のほか、令和6年度税制改正で先送りされた項目(下記★)も要望された。
例年なら、12月中旬に与党の「令和7年度税制改正大綱」が公表される予定だが、自民党総裁選挙などもあるため、政治の動向にも注目したい。
【所得税】
子育て世帯等の住宅ローン控除等の拡充 ★
子育て世帯の生命保険料控除の拡充 ★
【資産税】
事業承継税制の見直し
生産性向上や賃上げに資する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置の延長等
上場株式等の相続税に係る物納要件等の見直し ★
【法人税】
中小企業者等の法人税率の特例の延長
中小企業経営強化税制の拡充・延長
中小企業投資促進税制の延長
中小企業防災・減災投資促進税制の延長
医療に係る設備投資減税の延長
地域未来投資促進税制の拡充・延長
産業用地整備促進税制の創設
【消費税】
外国人旅行者向け免税制度の見直し ★
『子育て世帯等の住宅ローン控除等の拡充』
・令和6年度税制改正で①子育て世帯・若い夫婦世帯における住宅ローン控除の借入限度額の上限の拡充と、②新築住宅の床面積要件の緩和が行われたが、令和7年分は先送りされた。
⇒令和7年度税制改正では、令和7年分についても令和6年度と同様の方向性で要望された。
・あわせて、子育て世帯等における住宅リフォーム税制の拡充(子育て対応改修工事の追加)も令和6年度と同様の方向性で要望された。
『子育て世帯の生命保険料控除の拡充』
令和6年度税制改正大綱では、子育て世帯に対する支援のための生命保険料控除の拡充の方向性が示され、令和7年度税制改正で結論を得ることとされた。
⇒「一般生命保険料控除(所得税のみ)」について、現行の4万円から6万円への拡充が今回要望された。
『事業承継税制の見直し』
事業承継税制の特例措置は、令和6年度税制改正で「特例承継計画の提出期限」が「2026年3月末まで」延長されたものの、後継者が役員に就任していない場合、特例措置の期限である「2027年12月末」の3年前となる今年(2024年)の12月末までに、役員に就任する必要があり、余裕がないという問題が生じていた。
⇒適用期限が到来するまでの間、本税制を最大限活用できるよう、役員就任要件の見直し等が今回要望された。
『生産性向上や賃上げに資する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置の延長等』
赤字企業を含めた中小企業の前向きな投資や賃上げを後押しするため、赤字黒字を問わず設備投資に伴う負担を軽減する固定資産税の特例措置の適用期限の2年延長が要望された。
『上場株式等の相続税に係る物納要件等の見直し』
令和6年度税制改正大綱では、物納制度が検討事項の1つとなっていた。
⇒納税者が物納を利用しやすい納税環境を整備する点などから、次の①・②が今回要望された。
① 上場株式等の物納に係る手続について、納税者が利用しやすいよう特例を措置すること
② 上場株式等について、相続税評価方法等の見直しを行うこと
『中小企業者等の法人税率の特例の延長』
中小企業の経営基盤の維持や資金繰り負担を緩和するとともに、生産性向上に向けた取組を後押しするため、適用期限の2年延長が要望された。
『中小企業経営強化税制の拡充・延長』
・円安・資源高等によるコストプッシュ・インフレ下の中でも、中小企業の果敢な設備投資を促進し、労働生産性の向上を通じて賃金上昇につなげていくため、中小企業経営強化税制の2年延長が要望された。
・その中でも、成長志向の高い中小企業をさらに後押しし、売上高が100億円を超える中小企業(100億企業)の創出を推進するため、上乗せ措置の創設等も要望された。
【要望の背景】
売上100億円超の中小企業(100億企業)は、高いレベルで外需と内需を取り込み、収益を上げて生産性向上(イノベーション)を図り、賃上げを実現し、人口減少社会でも、地域経済の好循環を先導する存在
⇒経済成長を実現する上で、各地域に「100億企業」のような成長中小企業を創出することが重要
⇒さらに100億企業は「中堅企業」へのパスになるが、現状4,500者程度と推計され、政策による強力な後押しが必要
⇒100億企業を目指すような成長意欲のある中小企業がシームレスに成長を目指せる環境整備を行い、さらなる100億企業を創出
⇒税制面では、中小企業経営強化税制の上乗せ措置を今回要望
『中小企業投資促進税制の延長』
人手不足や物価高騰が続く中、中小企業のさらなる設備投資を促進するため、適用期限の2年延長が要望された。
『中小企業防災・減災投資促進税制の延長』
近年、能登半島地震をはじめ大規模な災害が多発する中、中小企業における防災・減災能力の強化が一層重要性を増している。
⇒中小企業が自然災害等への事前の備えを行うことは重要であり、今後も中小企業による防災・減災に向けた設備投資の促進が必要なため、適用期限の2年延長が要望された。
『医療に係る設備投資減税の延長』
医療提供体制の確保のため、下記の3つの特別償却制度について、適用期限の2年延長が要望された。
『地域未来投資促進税制の拡充・延長』
地域未来投資促進税制について、拡充(次の①・②)と適用期限の2年延長が要望された。
①地域経済を牽引する中堅・中核企業の成長促進を通じた強靱な産業基盤の構築に向けて、地方公共団体が戦略的に重点支援を行う産業分野「重点促進分野(仮称)」に対する新たな枠の創設
②大型投資へのインセンティブをより一層高めるため、本税制の適用期限内に国の確認を受けた対象事業について、計画期間内(最大5年以内)に投資を完了したものを本税制措置の対象に
『産業用地整備促進税制の創設』
自治体が民間事業者の活力を活用して産業用地を整備する事業において、地権者が土地等を譲渡した際、地権者の譲渡所得への所得控除を行う、産業用地整備促進税制の創設が要望された。
『外国人旅行者向け免税制度の見直し』
不正利用の実態を踏まえ、「出国時に税関において持ち出しが確認された場合に免税販売が成立する制度(持ち出し確認方式)」への移行が記載された令和6年度税制改正大綱を受け、制度の詳細について結論を得ることが今回要望された。
『その他の要望項目』
【所得税】
○公的年金制度の見直しに伴う税制上の所要の措置
○企業年金・個人年金制度(特にiDeCo)の見直しに伴う税制上の所要の措置
○勤労者財産形成貯蓄制度の見直しに伴う税制上の所要の措置
○エンジェル税制の拡充(再投資期間の要件を、同一年内から複数年に延長など)
○NISA の利便性向上等
○金融所得課税の一体化(デリバティブ取引・預貯金等まで損益通算範囲を拡大)
【資産税】
○結婚・子育て資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充、2年延長
○死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ
【法人税】
○地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の5年延長
○特定公益増進法人等への法人寄附に係る特別損金算入限度額の拡充(所得の10%に。限度超過分の繰越しも)
○企業における寄附の促進に向けた環境整備の検討
○リース会計基準の変更に伴う所要の措置
○スピンオフの実施の円滑化のための分配資産割合の計算に係る所要の措置
【土地・住宅税制】
○長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置の2年延長(固定資産税)
○買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置の2年延長(不動産取得税)
○サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の2年延長(不動産取得税、固定資産税)
【医療税制】
○医療・介護DXの推進に伴う税制上の所要の措置
○医薬品・医療機器等の規制に関する制度の見直しに伴う税制上の所要の措置
【その他】
○コロナ特別貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税措置の延長(特別貸付の期限まで延長を要望)
○たばこ税の税率引上げ
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